作=圓朝作といわれるもの 改=以前からあった噺を圓朝が改作したもの 門=圓朝作品で門人によって口演速記が残されたもの 口=圓朝作品以外で口演速記の残るもの 枕=枕として語られたと思われるもの 弟=圓朝の弟子により補完されたもの 原=内外の物語を原作にしたもの 資=圓朝&周囲の人々が残した資料 全集の解題に初収の記載のみのものは、「作」としてあります。 |
第1巻 怪談噺 | 最近の演題 | ||
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作 | 怪談牡丹燈籠 | かいだんぼたんどうろう | 牡丹燈籠 (刀屋) (萩原新三郎) (お札はがし) (栗橋宿) (幸手堤) (お露と新三郎) (御札はがし) (おみね殺し) (関口屋強請) (関口屋ゆすり) |
作 | 怪談乳房榎 | かいだんちぶさえのき | 乳房榎 |
作 | 鏡ヶ池操松影 | かがみがいけみさおのまつかげ | 江島屋騒動 |
作 | 真景累ヶ淵 | しんけいかさねがふち | 真景累ヶ淵 (宗悦殺し) (深見新五郎) (豊志賀の死) (お久殺し) (お累の婚礼) (勘蔵の死) (お累の自害) (聖天山) (発端お長屋の衆) (宗悦の亡霊) (松倉町の捕り物) (豊志賀の最后) (水門前の場) (惣右衛門殺し) (宝蔵寺湯灌の場) (聖天山突き落とし) |
資 | 怪談牡丹燈籠覚書 | かいだんぼたんどうろうおぼえがき | |
「牡丹燈籠」創作に際し、圓朝が書き残した覚書 | |||
第2巻 人情噺 1 | |||
作 | 粟田口霑笛竹 | あわたぐちしめすふえたけ | |
作 | 霧陰伊香保湯煙 | きりがくれいかほのゆけぶり | |
作 | 敵討札所の霊験 | かたきうちふだしょのれいげん | 札所の霊験 |
作 | 熱海土産温泉利書 | あたみみやげいでゆのききがき | 熱海土産温泉利書 |
作 | 政談月の鏡 | せいだんつきのかがみ | |
第3巻 人情噺 2 | |||
作 | 根岸お行の松因果塚の由来 | いんがづかのゆらい | お若伊之助 |
作 | 業平文治漂流奇談 | なりひらぶんじひょうりゅうきだん | |
弟 | 後の業平文治 | のちのなりひらぶんじ | |
「業平文治漂流奇談」の続編。 予告されていたが、圓朝に口演の機会は無く、概略を聞かされていたと思われる弟子の圓橘による口述筆記 | |||
作 | 操競女学校 | みさおくらべおんながっこう | 女学校操競孝女おゑんの伝 |
作 | 松と藤芸妓の替紋 | まつとふじげいぎのかえもん | |
作 | 蝦夷錦古郷之家土産 | えぞにしきこきょうのいえづと | |
作 | 椿説蝦夷なまり | ちんせつえぞなまり | |
第4巻 芝居噺・一席物 | |||
作 | 菊模様皿山奇談 | きくもようさらやまきだん | |
作 | 緑林門松竹 | みどりのはやしかどのまつたけ | またかのお関 |
「やんまの久次」のくだりは初代古今亭志ん生の一席物を借りて「緑林門松竹」の一部としている。 | |||
改 | 雨夜の引窓 | あまよのひきまど | |
作 | 心眼 | しんがん | 心眼 |
作 | 縁切榎 | えんきりえのき | |
作 | 文七元結 | ぶんしちもっとい | |
一般に圓朝作とされているが、以前からあった噺を圓朝が補筆改訂したものとも言われる。 | |||
原 | にゅう | にゅう | |
原 | 成田小僧 | なりたこぞう | |
弟 | 闇夜の梅 | やみよのうめ | |
圓朝が「穴釣三次」として口演していたものを圓朝没後、弟子が圓朝作として発表したとされる。 | |||
原 | 福禄寿 | ふくろくじゅ | 福禄寿 |
北海道で聞いた話を脚色したものとされる。 | |||
原 | 梅若七兵衛 | うめわかしちべえ | |
圓朝と親交のあった能役者梅若実翁から聞いた話をヒントとした噺とされる。 | |||
作 | 明治の地獄 | めいじのじごく | |
湯治先の箱根早雲寺にある「地獄絵図」にインスピレーションを得たとされる。 | |||
改 | 畳水練 | たたみすいれん | 畳水練 |
二代目圓生の噺を改作したもの。 | |||
改 | 女の子別れ | おんなのこわかれ | |
「子別れ」を主人公を女に改作したもの。 柳派では、初代春風亭柳枝の作とされる。 | |||
作 | 牛車 | うしぐるま | |
作 | 七福神詣 | しちふくじんまいり | |
作 | 七福神参り | しちふくじんまいり | |
作 | 戌の歳 | いぬのとし | 元犬 |
作 | 大黒の用 | だいこくのよう | |
作 | 暦ずき | こよみずき | |
作 | 杉酒屋 | すぎさかや | |
改 | 甘酒屋 | あまざけや | |
落し噺の枕を独立させたもの。 | |||
原 | 八百屋 | やおや | 熊の皮 |
口 | 露店の道具屋 | ほしみせのどうぐや | 道具屋 |
改 | かつぎや | かつぎや | かつぎや |
上方の「正月丁稚」を東京風にアレンジしたもの。 | |||
原 | 道中の馬子 | どうちゅうのまご | 猿丸 猿丸太夫 |
改 | ひねりや | ひねりや | |
以前からあった噺を時代を明治に置き換えたもの。 | |||
作 | 華族の医者 | かぞくのいしゃ | |
作 | 士族の商法 | しぞくのしょうほう | 御膳汁粉 汁粉屋 素人汁粉 |
改 | 紙屑のよりこ | かみくずのよりこ | 紙屑屋 浮かれの屑より 天下一浮かれの屑より |
上方の噺を圓朝風にアレンジしたもの。 | |||
口 | 骨董屋 | こっとうや | 初音の鼓 |
「初音の鼓」として演じられていた噺。 現代でも「初音の鼓」として演じられる。 | |||
作 | 世辞屋 | せじや | |
作 | 黄金餅 | こがねもち | 黄金餅 |
松崎尭臣の市井見聞記「窓のすさみ」をヒントとしているといわれる。 | |||
口 | 行き倒れの商売 | いきだおれのしょうばい | |
初代土橋亭里う馬の作といわれる。 | |||
枕 | 古道具屋 | ふるどうぐや | |
枕 | 年始回り | ねんしまわり | |
作 | 狂言の買かぶり | きょうげんのかいかぶり | |
改 | 猪の夫婦 | いのししのふうふ | |
落し噺の枕を独立させたもの。 | |||
改 | 魚の話 | さかなのはなし | |
落し噺の枕を独立させたもの。 | |||
作 | 昔の大名の心意気 | むかしのだいみょうのこころいき | |
作 | 権助の心意気 | ごんすけのこころいき | |
作 | 下女の心意気 | げじょのこころいき | |
作 | 田舎者の観音参り | いなかもののかんのんまいり | |
作 | 親子の生酔い | おやこのなまよい | 親子酒 |
作 | 田舎娘 | いなかむすめ | |
作 | 親子のつんぼ | おやこのつんぼ | |
作 | 朝寝坊 | あさねぼう | |
作 | 吝嗇坊 | しわんぼう | (吝嗇噺の枕) |
作 | また一題 | またいちだい | |
作 | 西洋の丁稚 | せいようのでっち | |
作 | 日本の小僧 | にほんのこぞう | |
作 | 信用借金 | しんようしゃっきん | |
原 | 治部太夫 | じぶだゆう | 治部太夫 |
作 | 金の勘定をしずに来た | かねのかんじょうをしずにきた | |
作 | 茗荷 | みょうが | |
作 | 良薬 | りょうやく | |
作 | 死ななきゃ治らない | しななきゃなおらない | |
作 | 詩好きの王様と棒縛りの旅人 | しずきのおうさまとぼうしばりのたびびと | |
作 | 一対の子ども | いっついのこども | |
作 | 首屋にチョッキ屋 | くびやにちょっきや | |
作 | 三題噺 大仏餅 袴着の祝 新まえの盲乞食 | だいぶつもち はかまぎのいわい しんまえのめくらこじき | 大仏餅 |
作 | 三題噺 春雨 恋い病み 山椒の擂古木 | はるさめ こいやみ さんしょのすりこぎ | |
作 | 三題噺 暦 腎張りの下女 むつまじい夫婦 | こよみ じんばりのげじょ むつまじいふうふ | |
第5巻 伝記物 | |||
作 | 塩原多助一代記 | しおばらたすけいちだいき | 塩原多助 塩原多助一代記 (道連れ小平) (山口屋のゆすり) (戸田の屋敷) |
弟 | 塩原多助後日譚 | しおばらたすけごにちものがたり | |
圓朝の弟子の金馬(後の二代目小圓朝)の創作。 「塩原多助旅日記」(7巻に収録)を元に創作したものといわれる。 | |||
作 | 月謡荻江一節 | つきにうたうおぎえのひとふし | |
作 | 後開榛名の梅が香 | おくれざきはるなのうめがか | 安中草三 |
第6巻 翻案物 | |||
原 | 名人くらべ | めいじんくらべ | |
フランスの劇作家サルドゥ作の史劇「ラ・トスカ」を翻案したもの。 | |||
原 | 指物師名人長二 | さしものしめいじんちょうじ | 名人長二 |
フランスの作家モーパッサンの小説「親殺し」を翻案・創作したもの。 | |||
原 | 黄薔薇 | こうしょうび | 黄薔薇 |
フランスの小説「毒婦ジュリアの物語」を翻案・改作したもの。 | |||
原 | 松の操美人の生埋 | まつのみさおびじんのいきうめ | |
侠客を描いたフランスの小説「Buried alive」を翻案したもの。 | |||
原 | 英国孝子ジョージ・スミスの伝 | えいこくこうしじょーじすみすのでん | |
東京日々新聞社長・劇作家の福地桜痴から聞いた話を翻案したものと思われる。 | |||
原 | 英国女王イリザベス伝 | えいこくじょおういりざべすでん | |
伊香保温泉で避暑中に書かれ、草稿のまま残されていたものとされる。 | |||
第7巻 雑纂篇 | |||
原 | 八景隅田川 | はっけいすみだがわ | |
おそらく条野採菊の作と思われる。 | |||
原 | 鶴殺疾刃包刀 | つるころしねたばのほうちょう | |
圓朝口演とされているが、おそらく条野採菊の作と思われる。 | |||
? | 敵討霞初島 | かたきうちかすみのはつしま | |
「熱海土産温泉利書」に酷似しているが圓朝らしからぬ構想。 圓朝の承諾を得ず海賊版を発行していた採月庵主が、勝手に書き換えたものと思われる。 | |||
門 | 怪談阿三の森 | かいだんおさんのもり | 阿三の森 |
「牡丹燈籠」の抜粋のような作品。 圓朝と芸風の似た門人による書き換えがなされたものと思われる。 | |||
門 | 心中時雨傘 | しんじゅうしぐれがさ | |
「怪談阿三の森」同様、圓朝と芸風の似た門人により作られたものと思われる。 | |||
作 | 奴勝山 | やっこかつやま | |
原 | 死神 | しにがみ | 死神 |
グリム童話「死神の名付け親」の翻案とされる。 二代目金馬口演 | |||
門 | 鰍沢雪の夜噺 | かじかざわゆきのよばなし | 鰍沢 |
一朝口演 | |||
門 | 鰍沢二席目 | かじかざわにせきめ | |
「花火・後家・峠茶屋」の三題で構成され、河竹黙阿弥との合作といわれる。 圓右口演 | |||
門 | 小雀長吉 | こすずめちょうきち | 双蝶々 |
一朝口演 | |||
原 | 高麗の茶碗 | こうらいのちゃわん | 猫の皿 |
滝亭鯉丈の「大山道中膝栗毛」が原話。 圓喬口演 | |||
門 | こび茶 | こびちゃ | こび茶 |
一朝口演 | |||
門 | 樟脳玉 | しょうのうだま | 樟脳玉 |
一朝口演 | |||
門 | 穴どろ | あなどろ | 穴どろ |
一朝口演 | |||
門 | 駒長 | こまちょう | 駒長 |
一朝口演 | |||
改 | 羽織の蕎麦 | はおりのそば | そば清 |
圓朝の父圓太郎が上方から移植したとされる。 一朝口演 | |||
門 | 三題噺 雨宿り 韓信股くぐり 近江八景 | あまやどり かんしんまたくぐり おうみはっけい | |
一朝口演 | |||
門 | 三題噺 謡好き しゃくり 剣菱 | うたいずき しゃくり けんびし | |
一朝口演 | |||
作 | 百物語 | ひゃくものがたり | |
作 | 無筆の田舎の名主 | むひつのいなかのなぬし | |
作 | 人情の松茸 | にんじょうのまつたけ | |
作 | 小僧の心意気 | こぞうのこころいき | |
作 | 三題噺 梅 寒中の雨 狸の腹 | うめ かんちゅうのあめ たぬきのはら | |
「やまと新聞」読者から題を公募したもの | |||
作 | 三題噺 八百屋お七 東方朔 ソコラでゲショウ | やおやおしち とうぼうさく そこらでげしょう | |
作 | 三題噺 貴紳の散歩 壮士の洋行 女子の梅見 | きしんのさんぽ そうしのようこう じょしのうめみ | |
作 | 三題噺 越路太夫 比丘尼 とうがらし | こしじだゆう びくに とうがらし | |
作 | 三題噺 めくらの洋行 地獄の飛脚 乳母の女郎買い | めくらのようこう じごくのひきゃく うばのじょろうかい | |
資 | 三遊春の風俗 | さんゆうはるのふうぞく | |
明治14年の年玉に配った小冊子 圓朝門人の性格・特色を小噺に織込んだ見立本 | |||
資 | 雪月花一題ばなし | せつげっかいちだいばなし | |
三遊派再興を達成した記念に三遊塚を建立した時の記念出版物 圓朝および門人による小噺を収録 | |||
資 | 塩原多助旅日記 | しおばらたすけたびにっき | |
圓朝作品の速記者若林坩蔵によるインタビュー | |||
資 | 上野下野道の記 | こうずけしもつけみちのき | |
出入りの車夫酒井伝吉を同道しての取材旅行記 | |||
資 | 雑録(塩原多助伝ほか) | ||
資 | 書簡 | ||
資 | 圓朝資料(同時代評・追悼文等8篇) | ||
別巻 図録・資料集 | |||
圓朝収集の幽霊画・書簡・年譜・圓朝作品舞台化記録 等 |