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【159】件 登録されています。


キーワード: and and  ジャンル:  
■おすわどん■前座噺  読み:おすわどん

別名:
別名:
<登場人物>
・おすわどん
・・徳三郎 ・荒木先生
・・蕎麦屋
上州屋の旦那、徳三郎の奥さんが死んだ。
愛妻家で有名だった徳三郎、女房が死んだ途端にガクッとなった彼を心配した親戚一同が再婚を進めた。
相手は女中のおすわ、徳三郎にも依存はなく二人は晴れて結婚した。
ところが・・・しばらくたった夜、徳三郎がトイレに行くと廊下の引き戸ががたがたと鳴り「おすわどん・・・おすわどん・・・」と呼ぶ声が!!
店は大パニックとなり、おすわは心労から床についてしまった。
困ったのは徳三郎、近所に住む荒木という武芸者に頼んで化け物退治に乗り出した。
そして、その夜荒木先生が待機していると又『おすわどん・・・』と呼ぶ声が。
表に飛び出した先生、そこに居たのは蕎麦屋だった。
実は、蕎麦屋の『オソバ・・・ウドン』という売り声が謎の声の正体だったのだ。
用は空耳、というわけ。
やけになった先生は蕎麦屋の首を討ち取り、化け物を退治の証拠にすると言い出した。
困った蕎麦屋は「息子を身代わりにする」といってそば粉を取り出す。
「これの何処が息子なんだ!?」
「『そば』屋の息『粉(子)』でそば子・・・息子です」
「これを如何しろと?」
「手打ちにしてください」

桂 歌丸師匠か復活させた古い話。
■短命■その他  読み:たんめい

別名:長命
別名:
<登場人物>
・八五郎 ・隠居
・伊勢屋のお嬢さん[後におかみさんに]
・三人の旦那
「伊勢屋に怪奇が続いている」
そんな話を、隠居のところに持ち込んできた八五郎。
聞くと、伊勢屋の美しい一人娘が美男子と結婚したのだが、その美男子が結婚後あっという間に弱って死んでしまったというのだ。
次に娘・・・母親が死んだため伊勢屋の主となった彼女と結婚したのは色の黒い醜い男。これもまたあっという間に死んだ。
そして三人目が死んだのが昨日・・・。
不思議がる八五郎に、隠居はこう言った。
「美しい妻と結婚すると旦那は短命に、そうじゃない妻と結婚すると長命になるんだよ」
なるほど、妻が美しいと旦那は・・・。
感心して帰ってきた八五郎は、女房の顔を見て「俺は長命だなぁ・・・。」
■壺算■滑稽噺  読み:つぼざん

別名:
別名:
<登場人物>
・兄貴 ・弟分
・・瀬戸物屋
・・客
弟分に「二荷入りの壺を買いたい」と言われ、とある瀬戸物屋に引っ張ってきた男。
何を思ったのか半分の一荷しか入らない壺を買い、不思議がる弟分を連れて帰ってしまう。
弟分が文句を言うと、男は突然もとの瀬戸物屋に戻るよう指示。
「さっきの買い物は間違いだった」と言い、二荷入りの壺を購入し元の一荷入りの壺を三円で下取りさせた。
さて、そのまま帰ろうとすると瀬戸物屋の主が「代金が足りない」と呼び止めてくる。
兄貴分は「まず三円払い、それから三円分の壺を下取りしたんだから三円と三円で六円だろ?」
兄貴分の巧妙な話術に惑わされ、パニック状態に陥った主は・・・。
■傘の断り■与太郎噺  読み:かさのことわり

別名:金明竹
別名:
<登場人物>
・与太郎
・店の主
・通行人数名
にわか雨、道具屋の軒先に雨宿りしようと男が一人駆け込んでくる。
当然のごとく傘は無い。
その様子を見た店員の与太郎は、可哀想だと男に店の主が使っている蛇の目傘を貸してしまう。
主にその話をしたら怒られた。
「今度そういう人がやって来たら『家にも貸傘は何本かございましたが、使いすぎて骨は骨、紙は紙とぼろぼろになって使い物になりませんから、焚き付けにしようと物置に放り込んであります。』と言って断ってやれ。」
次に来たのは近江屋の旦那さん、何でも押入れにネズミが出たから猫を貸して欲しいとか。
ところが与太郎はさっき教わった傘の口上で断ってしまう。
「家にも貸し猫は何匹かおりましたが、使いすぎてぼろぼろになったので・・・」
その話を聴いた主はまた与太郎にお説教、
「今度そういう人が来たら『盛りがつい出てっちゃって、帰ってきたと思ったら何処かで海老の尻尾でも食べたらしくて、腹痛を起こしたのでマタタビ舐めさせて寝かしている』と言って断っちゃえ。」
今度来たのは讃岐屋の旦那さん、何かの目利きをして欲しいらしくて旦那さんに来て欲しいというが、与太郎はさっきの猫の口上で断ってしまう。
「家にも旦那が一匹いましたがね、この前盛りがつきまして・・・。」

後でこの話を聴いた主が慌てて讃岐屋のところに事情を説明しに行き、その間に中橋の加賀屋の使いで弥市さんと言う人が来て・・・・、と『金明竹』の枕として使われる事が多い。
■巌柳島■大名.武家噺  読み:がんりゅうじま

別名:
別名:
<登場人物>
・初老の武家
・侍 ・くず屋
・船頭 ・渡し舟の客
舞台は厩橋から出発した渡し舟の中。
一人の侍が、吸殻を落とそうと船べりでキセルを叩いた途端に緩んでいたのか雁首までが一緒へ水中に落ちてしまう。
船を止めろだの侍が大騒ぎをしていると、そこへくず屋が出てきて残った吸い口を引き取りたいと申し出た。
「世の中には吸い口ばかりで雁首のないキセルもございますから」と言うのがくず屋の申し出だが、雁首無くしてイライラしている所でこの話を聴いた侍は逆上、手打ちにいたすと船中大騒ぎになってしまう。
そこへ仲裁に乗り出したのがお供に槍を持たせた初老のお武家様、ところが侍は仲裁に乗るどころかお武家に決闘の申し込みをしてしまう。

最初は断っていた武家だが「老人だから死んでも惜しくはないだろう」等と言われてついにキレ、「ここでは迷惑がかかるから」と船を岸辺に戻させる。

さて船が岸辺に到着、『居合い抜きの気が違ったよう』な格好をした侍がまず船から飛び降りるがお武家は飛び降りない。
それどころか、侍が飛び降りた振動で船が動き出した所を見計らって槍の石突きで石垣をグーンと一突き、船は後戻りをしてしまう。
実は、これがお武家の作戦だったのだ。

お武家の指示で船が行ってしまったために一人川岸に取り残された侍。
そこに他のお客が野次を飛ばす。
「悔しければ橋を渡って追っかけてこい」
それを聞いた侍、何を思ったのかふんどし一丁になると小刀を咥えて川の中に飛び込んだ。
意趣返しに船底へ穴を開けて沈める気だとか船内が大騒ぎになっていると侍が水面に姿を現す。
お武家が何しに来たのか尋ねると
「なぁに、さっきの雁首を探しに来た」

本来『巌流島』と書くこの落語のタイトルに『巌"柳”島』と当てたのは三遊亭円朝。
■洒落小町■長屋噺  読み:しゃれこまち

別名:
別名:
<登場人物>
・お松(ガチャ松)
・大家
・旦那(熊)
あんまりよく喋るので『ガチャ松』と言うあだ名のあるお松さん、大家の所を訪ねるなり離縁状の代筆をお願いした。
「イタチ野郎、キツネ野郎、ムジナ野郎」と動物園みたいな事を言って罵るお松をなだめて訊いてみると、どうも旦那の趣味が気に入らないらしい。
この前なんか夫がカフェへ行くのを浮気と決め付け尾行して、気づいた夫に階段から突き落とされたんだとか。
悔しいから離婚する、そう言ってわめくお松大家は宥め、在原業平が奥さんの詠んだ和歌で浮気を止めた話をした。
「あんたが無愛想だから旦那は逃げる。だから旦那にサービスすれば?」
その気になったお松は早速帰って旦那に実践してみるが結果は滅茶苦茶、かえって気味悪くなった旦那は逃げようとする。
それ来たとばかりにお松さん、さっき聞いた足止めの歌を詠んだ。
『恋しくば たずね来てみよ いずみなる しのだの森の うらみくずの葉』
ところがこれは全然違う歌、旦那さんは結局逃げ出してしまう。
話が違うと怒鳴り込んできたお松の話を聴いた大家は
「俺が教えたのは
『風吹かば 沖つ白波 竜田川 夜半には君が ひとり来ゆらん』
お前のやったのはキツネの歌だ。」
(浄瑠璃【芦屋道満大内鏡】の女主人公、『葛の葉』の歌ですな)
それを聴いたお松さん、がっくり来て
「あ、それで穴っぱいりに出かけたんだ」

大家に旦那にサービスする手ほどきを受ける場面とそれを実践してみる場面、二つの場面の会話のやり取りが絶妙な作品。
■占い八百屋■お店噺  読み:うらないやおや

別名:お神酒徳利
別名:
<登場人物>
・八百屋 
・店の主 ・女中
・旅籠の主 ・宿の女中(お梅)
とあるお店に八百屋が行商でやってくるが、そこの女中にけんもほろろに追い返されてしまう。
この八百屋、以前はこの店によく品物を卸していたのだが、女中が今の人に替わったとたんに出入り禁止となってしまったのだ。
度重なる意地悪についに堪忍袋の緒が切れた八百屋は女中が錫製のお神酒徳利を洗って小桶に立てかけておいたのを目にし、意趣返しとばかりに腰障子の破れ目から手を伸ばしてお神酒徳利を手にとり水瓶の中にポゥン、お神酒徳利はゴボゴボゴボゴボ・・・

信心深いこの店の主に女中が大目玉を食らっているのを見て鬱憤を晴らした八百屋はこの辺で勘弁してやろうと思い仲裁に乗り出した。
自分は元易者、算盤一つでぴたりと当てると言った八百屋は女中に「水に縁があって、木に縁があって土に縁がある」とでたらめを言って溝さらいをさせ、その後も水を浴びろ、神様を拝めなどと振り回した後「水瓶の中にあります」と言って徳利を取り出させる。
自分で放り込んだのを自分で探し出したんだからこれは如何考えても見つかる訳なのだが、店の主は八百屋の『占い』を頭から信じてしまい「三島に住む私の弟が江戸に出て来るのだが、それに際していい易者に見てもらいたいと言っている」と説明し一緒に三島まで来ていただきたいと懇願する。
八百屋は何とか言い逃れしようとするが結局拝み倒され一緒に行く羽目に・・・。

何とかしようと考えている間に二人は小田原に到着、とある宿に一泊するが、その夜、宿の主が二人の部屋を訪れた。
帳場から百両の金が盗まれたため、客の荷物を調べる許可を取りにきたのだ。
八百屋の『占い』を信じ込んでいた客(江戸の店の主)は八百屋を『占いの名人』として宿の主に紹介、困った八百屋はついに逃げ出す事を決意する。
宿の主を巧く騙して離れの二階に部屋を取り、そこに占いの道具と称して『紙と切り出し』『大きなろうそくを五本』『無印の提灯』『五両のお金』『おむすび』『三間梯子』『草鞋』『菅笠』を運び込ませた八百屋。ところが、いざ逃げようとしていると突然部屋に女中が入ってくる。
訊くと病気の母親の治療費に当てるためにお金を盗み、裏のお稲荷さんに隠してあるんだとか。
ところが江戸から『占いの天才』が来たと聴き、もう逃げられないと思い『先生』の所に自首しに来たと言うのだ。
この偶然に救われた八百屋は宿の主に『これはお稲荷様がお前を懲らしめるために、お梅(女中の名前)を動かしてやった事だ』とご託宣、以前と同様に「お梅にお金を出してやれ」、「お稲荷様を再興しろ」と散々言いつけた後でお金の場所を教える。
するとやはりここでも大評判、夜が明けた途端にいろんな人が失せ物や猫探し、果ては泥棒に盗まれた品物の行方を訊きに宿に押しかけてきた。
またも窮地に追い込まれて八百屋は、『疲れが出たから私は寝る』と言って人払いをさせ、夜の闇に紛れて逃げ出してしまう。
翌日、『先生』の部屋を訪れた宿の主は八百屋が消えているのを見て
「うーん、今度は先生が紛失をした。」


三代目柳屋小さんが大阪から持ち帰って演じた物で、『お神酒徳利』と同一の話がネタ元。
■いつ受ける■マクラ.小噺  読み:いつうける

別名:
別名:
<登場人物>
・男 ・女房
・姑 ・子供
・犬
博打でハチャメチャな負け方をした男。
女房の着物を脱がせて質屋でぶち殺そう(金に換える)とすると「いつ受けて返す?」
今度は姑の着物をぶち殺そうとするがやはり「いつ受けて返す?」
とうとう子供の着物に手を出そうとするがやはり「いつ受けて返す?」
頭に来た男は家を飛び出して街をぶらぶら。
つい犬の尻尾を踏んでしまった男は犬があんまり吼えるので逆ギレして「畜生、ぶち殺すぞォ(本当の意味で)」
犬、曰く「いつ受けて返す」
■搗屋無間■廓噺  読み:つきやむげん

別名:
別名:
<登場人物>
・徳さん ・小稲花魁
・幇間の次郎 
・搗屋の親方
搗米屋の従業員徳さんは芝居見物だけが唯一の道楽である堅物。
でもそんな人でも迷うのが色恋の道、徳さんも浅草仲見世の絵双紙屋でたまたま見かけた小稲と言う花魁の似顔絵に一目惚れしてしまう。
こうなればもう仕事も手につかない。
腑抜けになった徳さんは親方の勧めで芝居見物に行く途中で幇間の次郎と鉢合わせ、次郎の提案で本物の花魁に会いに吉原まで出かける。
銭湯に入って着物を着替えて、徳さんの芝居がかったしゃべり方から木更津のお大尽という触れ込みでいざ登楼。
いい夢を見た徳さんだがこうなるとなおさら花魁のことが忘れられない、ますます変になった徳さんは隣家から聞こえてくる『梅ヶ枝』の曲に思いをはせ、「今の私はこの前見た芝居と一緒だ。花魁の梅ヶ枝が、三百両の金で鐘をうけ出したくて・・・」とひとしきり嘆いた後自分も芝居の真似してみようとひしゃくで手水鉢を叩こうと手を振り上げる。
すると柄杓の先が真上の欄間に辺りその振動でお金がバラバラと・・・
実は親方がそこへちょっとおいたつもりで忘れていたお金だったのだが、それを拾った徳さん
「ああありがてえ、ひい、ふう、みい、二百と四十両か。梅ヶ枝は三百両、そうか、二割は搗き減りがしたか。」

この落ちは冒頭で述べられる搗米屋に米を出した場合二割搗き減りして帰ってくると言う話に引っ掛けた物だ。
見所は次郎が徳さんに吉原に行った際の手ほどきをする場面。
■ケチと鰻屋■マクラ.小噺  読み:けちとうなぎや

別名:
別名:
<登場人物>
・ケチな男
・鰻屋
ケチな男が鰻屋が近くにある家に引っ越してきて、鰻屋から出てくる煙で飯を食べる。
「クンクン。ああ旨い。」
と、ある月末に鰻屋が来て、
「すみません。鰻代頂に来ました。」
「ええ?俺はそんなもの頼んでいないぞ。」
「しかし、あなたは店から出る鰻を焼く煙でご飯をてべているようで、打から払っていただきたい。」
「わかった。」
と、チャリンチャリンと銭を置く音だけ立てて、
「俺は匂いだけかい出るんだ。そっちは音だけ聞いて帰りな。」

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