上州屋の旦那、徳三郎の奥さんが死んだ。 愛妻家で有名だった徳三郎、女房が死んだ途端にガクッとなった彼を心配した親戚一同が再婚を進めた。 相手は女中のおすわ、徳三郎にも依存はなく二人は晴れて結婚した。 ところが・・・しばらくたった夜、徳三郎がトイレに行くと廊下の引き戸ががたがたと鳴り「おすわどん・・・おすわどん・・・」と呼ぶ声が!! 店は大パニックとなり、おすわは心労から床についてしまった。 困ったのは徳三郎、近所に住む荒木という武芸者に頼んで化け物退治に乗り出した。 そして、その夜荒木先生が待機していると又『おすわどん・・・』と呼ぶ声が。 表に飛び出した先生、そこに居たのは蕎麦屋だった。 実は、蕎麦屋の『オソバ・・・ウドン』という売り声が謎の声の正体だったのだ。 用は空耳、というわけ。 やけになった先生は蕎麦屋の首を討ち取り、化け物を退治の証拠にすると言い出した。 困った蕎麦屋は「息子を身代わりにする」といってそば粉を取り出す。 「これの何処が息子なんだ!?」 「『そば』屋の息『粉(子)』でそば子・・・息子です」 「これを如何しろと?」 「手打ちにしてください」
桂 歌丸師匠か復活させた古い話。
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