ご隠居のところへ長屋の若者が訪ねてくる。 隠居にさんざん愚者だと言われた若者、 あれこれ隠居に聞き始める。 魚の名前は誰がつけたのか、 マグロはどうしてマグロというのか、
「じゃあ、コチってのは?」 「こっちへ泳いでくるからコチだ」 「向こうへ泳いでいったらムコウでしょ?」 「お前が向こうへ回ればコチになる」
などと言い合う。 聞くものに困った若者、 目の前にある湯飲み、鉄瓶の由来にうつる。
「鉄瓶は?」 「鉄でできているから鉄瓶」 「じゃ、やかんは?」 「やでできて・・・は・・・いないな。」
答えに困ったご隠居、戦国時代の話を持ち出してきて、 なんとか理屈をつけようとする。
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