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【108】件 登録されています。


キーワード: and and  ジャンル:  
■代書屋■お店噺  読み:だいしょや

別名:
別名:
<登場人物>
・松本留五郎
・代書屋・主人
 静かな商売の代書屋さんに、うるさい男が現れ履歴書を書いてと頼まれるがその男が代書屋さんの質問に訳の分からん答えをして、代書屋さんを困らす、最後の最後には代書屋さんは泣きながら履歴書を書く。
■蚊いくさ■滑稽噺  読み:かいくさ

別名:
別名:
<登場人物>
・久六
・剣術道場の先生
・久六の女房
剣術に凝って、商いもそっちのけで道場通いをする八百屋の久六。たまりかねた女房が久六に道場を休んで商いに精を出すようせまる。
久六は家の蚊帳まで質に入れてしまったため、子どもが蚊に食われて頭がでこぼこになってしまった。久六は女房と押し問答の末に、道場主に休みたいと申し出る。剣術の先生は、
「貴公は見所があるによって…。」と止めようとする。
久六は、蚊に悩まされていることを話す。すると道場主は
「しからば、蚊と一戦交えよ。」と策を授ける。
「貴公の家を城と見なし、細君は北の方、子どもは若殿、表口は大手、裏口は搦手、引き窓は櫓とみなし、これを全て開け放って、敵を油断させ城内に招き入れる。敵軍が入ってきたなら城門を閉め蚊をいぶし、その後開け放って蚊を外へ逃がし、また閉めてしまえば良い。」
と久六に言う。
「けむくとも のちは寝やすき 蚊遣りかな、と申すではないか。一匹二匹の落ち武者は平手で打ち殺せ。」と久六をあおる。
久六は、家に帰ると道場の先生に言われたとおり
久六「やぁやぁ敵の面々よっく聞けぃ。今夜は蚊帳を吊らんぞや。来たれや来た れ…。」
女房「ばかだね。この人は。みっともないじゃぁないか。蚊帳のないことが近所中に聞こえちゃうじゃないか。」
久六「蚊帳のないことが敵に知れて見ろ。大将の計略が水の泡になる。」
さて、策の通り蚊をおびき寄せ蚊遣りを焚いていぶすが、久六親子三人もいぶされて苦しくなる。あげくに、数匹の落ち武者の蚊が、久六に襲いかかる。
手打ちにしてくれよう、と久六も奮闘するが、太刀打ちできない。
久六「あーぁ、とてもかなわぬ。北の方、城をあけ渡そうぞ。」
■寄合酒■酒呑噺  読み:よりあいざけ

別名:ん廻し
別名:田楽食い
<登場人物>
・兄貴分の男
・町内の若い者
町内の若い連中が集まって、持ち寄りで酒を呑もうということになる。
ところが、みんな懐がさみしい。塩物屋の目を盗んで干鱈を失敬してきたり、
乾物屋の子どもをだまして鰹節をまきあげたり、とんださわぎを巻き起こす。
結局、ろくなつまみもないまま、酒を飲み始めるが、兄貴分の男のおごりで、豆腐屋に田楽をあつらえさせる。
兄貴「どうでぇ、おでん田楽と運がつく食べ物だから“ん”の字を言った数だけ食わせることにしよう」と“ん”づくしの遊びを始める。
男「みかん、キンカン、わしゃすかん。」
兄「“ん”が四つか。じゃぁ、四本食いねぇ。」
男「千年前新禅院の門前に、人間半面半身疝気いんきん金看板、金看板根元、万金丹…。」
などと、みんな夢中になって「ん」のつく言葉を並べて立てる。
そのうち、「じゃんじゃん」「がんがん」と半鐘と消防の鐘のまねで、際限もなくとろうとする男がいるので、
兄貴「ふざけちゃぁ、いけねぇ、これを食え。」
男「生の豆腐じゃないか。」
兄貴「いまのが消防のまねだろ。だから焼けないうちに食わせる。」
■七段目■お店噺  読み:しちだんめ

別名:
別名:
<登場人物>
・若旦那
・定吉
・大旦那 
芝居好きの若旦那は、掛け取りに行ったきりなかなかもどってこない。
ようやく帰ってきた若旦那をつかまえて、大旦那のお小言が始まる。
若旦那が芝居の台詞で答えたので、大旦那は怒り、若旦那に二階で謹慎するよう言いつける。
ところが、この若旦那、懲りずに二階で芝居のまねを始める。
大旦那は怒って小僧の定吉に命じて止めに行かせる。
二階に上がってきた定吉も、実は大の芝居好き。若旦那は定吉をつかまえて、
自分は忠臣蔵「七段目」の平右衛門役を、定吉をお軽に見立てて、床の間にあった真剣を抜いて立ち回りを演じる。
驚いた定吉は逃げだそうとして階段から転げ落ちる。物音に驚いた大旦那が
大「やっ、定吉、お前てっぺんから落ちたのか。」
定「いいえ、七段目です。」
■紙屑屋■居候.幇間噺  読み:かみくずや

別名:浮かれの屑選り
別名:天下一
<登場人物>
・居候の若旦那
・頭領
・紙屑屋
道楽がたたり、頭領の家の二階に居候をしている若旦那。毎日無為徒食の身。おかみさんにも煙たがられている。見かねた頭領に紙屑屋に働きに行かされる。
「唐傘の骨はぁ、バラバラぁ、紙は破れてもぉ…しゃらん、しゃらん…」
などと鼻歌混じりで脳天気な顔で紙屑屋にやってくる。
仕事は、紙屑屋に集まった紙などを選り分ける仕事。
「白紙は白紙、反古は反古、陳皮は陳皮…。」と教えられた通りに選り分け始めるが、途中で人の書いた恋文を見つけて読んだり、都々逸の本に目を止めるといい調子で吟じたりでなかなか仕事がはかどらない。
とうとう義太夫の本を見つけ、芝居の雰囲気を出して唸り出す始末。
隣家の稽古屋から苦情がくるのも気づかず踊りながら外へ出ていってしまう。
「これ、いいかげんにしてくれ。お前さんもよっぽど人間のくずだな。」
そう言って紙屑屋の主人がとがめると
「へぇ、いま選り分けているところです。」
■ふだんの袴■粗忽.強情噺  読み:ふだんのはかま

別名:
別名:
<登場人物>
・八五郎
・武家
・道具屋の主人
御成街道沿いのとある道具屋に、立ち寄った一人の武家。黒羽二重に仙台平の袴、雪駄履きに腰の大小もりっぱな拵え。道具屋の主人に煙草盆を所望する。一服しながら一幅の鶴の掛け軸に目を止める。
道具屋「さすがにお目が高い。あれは文兆でございます。」
武家「ううん。その方が文兆というならば、相違あるまい。あぁ、いかにも文兆は名人じゃ。あぁ、みごとな作だ。」
と、感心して大きく息を吐いたので、煙管の雁首から火玉が飛び出し袴の上に落ちた。
道具屋「殿様、袴の上に火玉が落ちました。」
武家「いや、案ずることはない。これはいささかふだんの袴だ。」
通りすがりにこれを見ていた八五郎、自分もやってみたくなり、大家に頼み込んで借りた袴をはき、さっきの道具屋にやってくる。
先ほどの掛け軸に目を止めると、
道具屋「文兆でございます。」
「えっ、あれが、文鳥か。俺にゃ鶴に見えるがなぁ。文鳥だっていいやがる。もっとくちばしが赤いのが文鳥だい。どう見たって、これは鶴でぇ。」
と感心して、煙管を吹くと煙管が詰まっているので火玉が飛び出さない。やけになって吹くと、今度は火玉が勢いよく飛び出し、八五郎の頭の上に乗る。
道具屋「親方、火玉が頭の上に…。」
八五郎「心配するねぇ、いささかふだんの頭だ。」 
■羽衣の松■その他  読み:はごろものまつ

別名:
別名:
<登場人物>
・天人
・漁師伯良(はくりょう)
あんまり眺めが良いので東海道の三保の松原に天人(天女)が舞い降りる。
傍らの松に羽衣を掛けて海に入り水浴びをしていると、そこへ漁師の伯良という男が通りかかる。この男、呑む打つ買うの三道楽が大好き。酒を呑みへべれけになっている。ひょいと見ると、松の枝に羽衣が掛かっているのでこれを売り払って一杯呑もうと考える。天人がこれに気づいて言う。
「のうのう、それに持ち去られるのは、天人が所持なす羽衣と申すものなり。みだりに下界の人の持つものにあらず。我に返したまえ。」
伯良は、傍若無人に振る舞い、天人を脅す。
そこへ一陣の風が吹き、天人の衣の裾を吹き上げる。伯良は天人の美しい肌を見てぶるぶると震え、三日でいいから俺の女房になってくれたら羽衣を返す、と天人に迫る。天人は、衣を返せば言うことを聞く、と言うので伯良は天人のうなじや胸の美しさにうっとりしながら後ろから衣をかけてやる。
次の瞬間、吹いてきた風と共に天人の姿は空へ舞い上がる。驚いた伯良は、
「いま、言ったことはどうなるんだ。」と叫ぶと天人が雲間から答える。
「ありゃぁ、みんな空っことだい。」
■壷算■滑稽噺  読み:つぼざん

別名:壷算用
別名:
<登場人物>
・長さん
・瀬戸物屋
・吉公
二荷(にか)入りの水瓶を一個買いたいという吉公に頼まれ、一緒に瀬戸物屋にやってきた長さん。三円五十銭の一荷入りの水瓶を三円に値切って買う。
気の弱い吉公は、長さんに言われるがまま、一緒に水瓶を担いで店を出る。二荷入りの水瓶が買いたかったと長さんに文句を言うと、長さんは任せておけ、と言って瀬戸物屋に逆戻りする。
瀬戸物屋の主人に、二荷入りの水瓶にしてほしい、と言うと、本来二荷入りの水瓶は七円なのだが、先刻一荷入りを三円で買ったので、二荷入りを六円にしろと値切る。瀬戸物屋は、
「ここで一円の差は大きい。お客さんの買い物上手にはかないませんなぁ。」
と感心する。
長「ところで、先刻買った一荷入りの水瓶をいくらで下取る?」
主「売値と同じ三円でとらせていただきます。」
長「先刻、そこに三円わたしたな。」
主「へい、まだ、ここにございます。」
長「それに、この一荷入りの瓶を三円で取ってくれるんだな。」
主「へぇ。」
長「この一荷入り三円と先刻の三円で六円。じゃぁ、この二荷入り、もらっていくぜ。」
主「ちょっとお待ちを。勘定が変でございます。」
長「なんだぁ?じゃぁ、そろばんを入れて見ろ。先刻渡した三円と入れて見ろ」
主「へぇ、三円入れました。」
長「それに、下取りする一荷入りの三円を入れて見ろ。いくらになる。」
主「六円でございます。」
長「それみろ、六円でいいんじゃねえか。」
主「へい、そろばんにはちゃんと出るんですが、何か妙で…。ねぇ、親方、すみませんが、さっきの   一荷入りの水瓶持って行ってくれませんか。」
長「一荷入りはいらねぇんだ。」
主「そう言わずに、お願いしますよ。そのかわり、いただいた三円もお返ししますから。」
■富士詣り■旅噺  読み:ふじまいり

別名:五合目
別名:
<登場人物>
・熊さん
・先達
・留さん
にわか信心の江戸っ子が講を組んで富士詣りをする。
山道を歩きなれない一行は、ぜえぜえ言いながら、すぐに休みたがる。
先達が「六根清浄…」のかけ声を教えるが、物覚えの悪い熊公はとんだ言い違いをする。その内、雲行きが怪しくなる。
先達「講中に五戒(殺生戒・偸盗・妄語戒・飲酒戒・邪淫戒)を破った者がいると山の神様の怒りに触れて天候が急変する」と言う。
懺悔をしないと山は荒れるというので、講中に懺悔を強いる。
湯屋で他人の下駄を履いて帰ったり、寿司屋で勘定をごまかしたなどと懴悔話が始まる。
そのうち、得意げに、他人のかみさんと通じた邪淫戒の懴悔話をする奴が出てくる。
先「いったい、そのお内儀さんはどこのお内儀さんだい。」
熊「いやぁ、面目ねぇ、先達さん。あんたのお内儀さんだ。」
先「てえげえにしやがれ。」
先「おや、留さん。どうしたい。」
留「頭が痛くて、心持ちが悪い。」
先「頭が痛くて、心持ちが悪い?わかった。初山だね?初山だからお山に酔ったんだろう。」
留「え?お山に酔ったぁ?先達さん。酔うわけですよ。ちょうどここは五合目です。」
■皮いや■大名.武家噺  読み:かわいや

別名:皮いいや 竹の子
別名:皮嫌
<登場人物>
・武家
・隣家の爺
・家来
さる武家の屋敷。主人が家来を呼んで今日の昼餉のおかずは何かと聞く。
家来が竹の子だと答えると、いぶかしく思って問い返す。
「竹の子を購ったのか」
「いえ…」
「では、どこかで盗んだのか。」
「滅相もございません。」
「では、どうしたんじゃ。」
「実は、隣家の藪の竹の子が、塀を越えて当家の庭に顔を出しまして…」
「ううーむ、不届きな奴(竹の子)じゃ。間者まがいのことをしおって。」
と言い、竹の子を食べることにするが、隣家の爺が日頃からうるさいので、家来に言って隣家に断りを入れろと命じ、
「勝手に当家の庭に入り込み間者まがいの所行をした故、切って捨てるが、いかがなものか。」
と言うよう、知恵を授ける。それを伝えられた隣家の爺さんも負けてはおらず、
「切って捨てるのはかまわないが、当家で慈しまれて育った故、亡骸は当方で引き取りたい。できれば鰹節を供につかわすようご配慮いただきたい。」
と言う。家来から隣家の爺の返事を聞かされた殿は、
「すでに切り捨て亡骸は腹の中に安置した、と伝えろ。」
と言い、家来に、せめてもの形見に、と衣服(筍の皮)を隣家に持って行かせる。さて、隣家の爺さんは形見の衣服(筍の皮)を見て嘆きながら、
「ああ、かわいや。皮嫌。」

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