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【55】件 登録されています。


キーワード: and and  ジャンル:  
■味噌豆■お店噺  読み:みそまめ

別名:
別名:
<登場人物>
・定坊
・旦那
旦那に呼ばれて、煮豆を見に行った定坊。煮え加減を見るためにつまみ喰いをしてしまう。後を引くなぁとつまみ食いを続けていたら旦那に見つかって使いに出されてしまう。

ところが旦那もつまみ喰い。やっぱり後を引くなぁ。しかしここでつまみ喰いをしていればいずれ定坊に見つかり、威厳を落としてしまうと考え、茶碗に盛って見つからないところで食べようと考える。思案した挙句せっちんなら一人で満員だからと豆を持って便所へ入ってしまう。

さて使いから帰ってきた定坊。旦那の姿が見えないのをいいことにまたつまみ喰いをしようとする。だが鍋の前にいたのではまた、旦那からお小言を貰うだろう。思案した挙句旦那と同じくせっちんで食べればよいと思いつく。

便所へやってきた定坊、旦那と鉢合わせしてしまう。

驚く旦那に定坊が言った一言・・・・・・
■おすわどん■前座噺  読み:おすわどん

別名:
別名:
<登場人物>
・おすわどん
・・徳三郎 ・荒木先生
・・蕎麦屋
上州屋の旦那、徳三郎の奥さんが死んだ。
愛妻家で有名だった徳三郎、女房が死んだ途端にガクッとなった彼を心配した親戚一同が再婚を進めた。
相手は女中のおすわ、徳三郎にも依存はなく二人は晴れて結婚した。
ところが・・・しばらくたった夜、徳三郎がトイレに行くと廊下の引き戸ががたがたと鳴り「おすわどん・・・おすわどん・・・」と呼ぶ声が!!
店は大パニックとなり、おすわは心労から床についてしまった。
困ったのは徳三郎、近所に住む荒木という武芸者に頼んで化け物退治に乗り出した。
そして、その夜荒木先生が待機していると又『おすわどん・・・』と呼ぶ声が。
表に飛び出した先生、そこに居たのは蕎麦屋だった。
実は、蕎麦屋の『オソバ・・・ウドン』という売り声が謎の声の正体だったのだ。
用は空耳、というわけ。
やけになった先生は蕎麦屋の首を討ち取り、化け物を退治の証拠にすると言い出した。
困った蕎麦屋は「息子を身代わりにする」といってそば粉を取り出す。
「これの何処が息子なんだ!?」
「『そば』屋の息『粉(子)』でそば子・・・息子です」
「これを如何しろと?」
「手打ちにしてください」

桂 歌丸師匠か復活させた古い話。
■短命■その他  読み:たんめい

別名:長命
別名:
<登場人物>
・八五郎 ・隠居
・伊勢屋のお嬢さん[後におかみさんに]
・三人の旦那
「伊勢屋に怪奇が続いている」
そんな話を、隠居のところに持ち込んできた八五郎。
聞くと、伊勢屋の美しい一人娘が美男子と結婚したのだが、その美男子が結婚後あっという間に弱って死んでしまったというのだ。
次に娘・・・母親が死んだため伊勢屋の主となった彼女と結婚したのは色の黒い醜い男。これもまたあっという間に死んだ。
そして三人目が死んだのが昨日・・・。
不思議がる八五郎に、隠居はこう言った。
「美しい妻と結婚すると旦那は短命に、そうじゃない妻と結婚すると長命になるんだよ」
なるほど、妻が美しいと旦那は・・・。
感心して帰ってきた八五郎は、女房の顔を見て「俺は長命だなぁ・・・。」
■壺算■滑稽噺  読み:つぼざん

別名:
別名:
<登場人物>
・兄貴 ・弟分
・・瀬戸物屋
・・客
弟分に「二荷入りの壺を買いたい」と言われ、とある瀬戸物屋に引っ張ってきた男。
何を思ったのか半分の一荷しか入らない壺を買い、不思議がる弟分を連れて帰ってしまう。
弟分が文句を言うと、男は突然もとの瀬戸物屋に戻るよう指示。
「さっきの買い物は間違いだった」と言い、二荷入りの壺を購入し元の一荷入りの壺を三円で下取りさせた。
さて、そのまま帰ろうとすると瀬戸物屋の主が「代金が足りない」と呼び止めてくる。
兄貴分は「まず三円払い、それから三円分の壺を下取りしたんだから三円と三円で六円だろ?」
兄貴分の巧妙な話術に惑わされ、パニック状態に陥った主は・・・。
■青菜■滑稽噺  読み:あおな

別名:
別名:
<登場人物>
・植木屋 ・主人
・植木屋の妻
・植木屋の友人
何にでも感動する植木屋さん、その日は仕事先の主に感動して帰ってきた。
主にいろいろなものをご馳走になった際、菜のお浸しを持ってくるよう妻に言うと奥さんが「鞍馬山から牛若丸がいでましてその名を九郎判官」、主が「義経にしておけ」と言ったらしい。
意味を聞くと『九郎判官』を『食ろう』に、『義経』を『よせ』に掛けた洒落だとか。
感心した植木屋は自宅でそれを真似しようとするが大失敗してしまう。
しかも女房が「鞍馬山から牛若丸がいでましてその名を九郎判官、義経」と台詞を言い間違えてしまい困った植木屋は「弁慶にしておけ」

弁慶は常に義経と一緒に行動していたことから幇間と同等とみなされ、『弁慶』が『何かにつけておごってもらう人』のことを指すようになっていたそうです。
本は上方の話し。
■三人無筆■滑稽噺  読み:さんにんむひつ

別名:
別名:
<登場人物>
・八五郎 ・八五郎の女房
・源兵衛 ・占いの先生
・熊五郎
無筆[読み書きの出来ないこと]の八五郎が知り合いの葬式で弔問客の名前を帳面に書き込む役を頼まれる。
困った八五郎は女房に夜逃げを提案、あきれた女房は八五郎と一緒に帳面付けを頼まれていた源兵衛に全部やらせるよう策を授けた。
翌朝、まだ暗い内に寺へ駆け込んだ八五郎は女房のアドバイス通り先に帳面付けの準備を済ませ、後からやってくる源兵衛に書付をやらせようとするが何と源兵衛の方が先に来ていた。
実は源兵衛も無筆、困った二人は『仏の遺言で帳面はめいめい付け』と言うことにして客に書かせようと考えた。
途中でやってきた占いの先生が代筆してくれたおかげで帳面付けは無事終了、いざ帰ろうとすると熊五郎がやって来る。
困った二人が考えた手は「熊五郎は葬式にこなかったことにしよう」
■清正公酒屋■お店噺  読み:せいしょうこうさかや

別名:
別名:
<登場人物>
・・清七 ・その父
・・お仲
・・加藤清正公
饅頭屋の娘・お仲と酒屋の倅・清七が恋人同士になった。
結婚を誓った二人だが、なぜか清七は父親に猛反対される。
何と清七の酒屋とお仲の饅頭屋、奉公人までいがみあう仇同士のような店だったのだ!
何でも清七が幼い頃、饅頭屋のパカでかい虎の看板を怖がったため外してもらうように交渉しに行ったところ、滅茶苦茶に言われて大喧嘩になったらしい。
おまけに、清七の泣き癖を治す為に作った加藤清正公の木像を撤去してくれと言われ断絶状態となったとか。
結局清七は親戚の家に軟禁されることとなった、それから数日後、お仲から手紙がきて二人は駆け落ちする。
その後心中を決意した二人、まずお仲が飛び込み次は清七・・・と思いきやいきなり後ろに引き戻される。
清七が振り向くと、何とそこには清正公が立っていたのだ。
清七が気になり神の世界からやってきたという清正公、清七がお仲を助けるよう頼むとにべも無く断った。
「なぜでございます」
『考えてみろ、アレは俺の仇の虎屋(饅頭屋の屋号)の娘だ』
■傘の断り■与太郎噺  読み:かさのことわり

別名:金明竹
別名:
<登場人物>
・与太郎
・店の主
・通行人数名
にわか雨、道具屋の軒先に雨宿りしようと男が一人駆け込んでくる。
当然のごとく傘は無い。
その様子を見た店員の与太郎は、可哀想だと男に店の主が使っている蛇の目傘を貸してしまう。
主にその話をしたら怒られた。
「今度そういう人がやって来たら『家にも貸傘は何本かございましたが、使いすぎて骨は骨、紙は紙とぼろぼろになって使い物になりませんから、焚き付けにしようと物置に放り込んであります。』と言って断ってやれ。」
次に来たのは近江屋の旦那さん、何でも押入れにネズミが出たから猫を貸して欲しいとか。
ところが与太郎はさっき教わった傘の口上で断ってしまう。
「家にも貸し猫は何匹かおりましたが、使いすぎてぼろぼろになったので・・・」
その話を聴いた主はまた与太郎にお説教、
「今度そういう人が来たら『盛りがつい出てっちゃって、帰ってきたと思ったら何処かで海老の尻尾でも食べたらしくて、腹痛を起こしたのでマタタビ舐めさせて寝かしている』と言って断っちゃえ。」
今度来たのは讃岐屋の旦那さん、何かの目利きをして欲しいらしくて旦那さんに来て欲しいというが、与太郎はさっきの猫の口上で断ってしまう。
「家にも旦那が一匹いましたがね、この前盛りがつきまして・・・。」

後でこの話を聴いた主が慌てて讃岐屋のところに事情を説明しに行き、その間に中橋の加賀屋の使いで弥市さんと言う人が来て・・・・、と『金明竹』の枕として使われる事が多い。
■巌柳島■大名.武家噺  読み:がんりゅうじま

別名:
別名:
<登場人物>
・初老の武家
・侍 ・くず屋
・船頭 ・渡し舟の客
舞台は厩橋から出発した渡し舟の中。
一人の侍が、吸殻を落とそうと船べりでキセルを叩いた途端に緩んでいたのか雁首までが一緒へ水中に落ちてしまう。
船を止めろだの侍が大騒ぎをしていると、そこへくず屋が出てきて残った吸い口を引き取りたいと申し出た。
「世の中には吸い口ばかりで雁首のないキセルもございますから」と言うのがくず屋の申し出だが、雁首無くしてイライラしている所でこの話を聴いた侍は逆上、手打ちにいたすと船中大騒ぎになってしまう。
そこへ仲裁に乗り出したのがお供に槍を持たせた初老のお武家様、ところが侍は仲裁に乗るどころかお武家に決闘の申し込みをしてしまう。

最初は断っていた武家だが「老人だから死んでも惜しくはないだろう」等と言われてついにキレ、「ここでは迷惑がかかるから」と船を岸辺に戻させる。

さて船が岸辺に到着、『居合い抜きの気が違ったよう』な格好をした侍がまず船から飛び降りるがお武家は飛び降りない。
それどころか、侍が飛び降りた振動で船が動き出した所を見計らって槍の石突きで石垣をグーンと一突き、船は後戻りをしてしまう。
実は、これがお武家の作戦だったのだ。

お武家の指示で船が行ってしまったために一人川岸に取り残された侍。
そこに他のお客が野次を飛ばす。
「悔しければ橋を渡って追っかけてこい」
それを聞いた侍、何を思ったのかふんどし一丁になると小刀を咥えて川の中に飛び込んだ。
意趣返しに船底へ穴を開けて沈める気だとか船内が大騒ぎになっていると侍が水面に姿を現す。
お武家が何しに来たのか尋ねると
「なぁに、さっきの雁首を探しに来た」

本来『巌流島』と書くこの落語のタイトルに『巌"柳”島』と当てたのは三遊亭円朝。
■洒落小町■長屋噺  読み:しゃれこまち

別名:
別名:
<登場人物>
・お松(ガチャ松)
・大家
・旦那(熊)
あんまりよく喋るので『ガチャ松』と言うあだ名のあるお松さん、大家の所を訪ねるなり離縁状の代筆をお願いした。
「イタチ野郎、キツネ野郎、ムジナ野郎」と動物園みたいな事を言って罵るお松をなだめて訊いてみると、どうも旦那の趣味が気に入らないらしい。
この前なんか夫がカフェへ行くのを浮気と決め付け尾行して、気づいた夫に階段から突き落とされたんだとか。
悔しいから離婚する、そう言ってわめくお松大家は宥め、在原業平が奥さんの詠んだ和歌で浮気を止めた話をした。
「あんたが無愛想だから旦那は逃げる。だから旦那にサービスすれば?」
その気になったお松は早速帰って旦那に実践してみるが結果は滅茶苦茶、かえって気味悪くなった旦那は逃げようとする。
それ来たとばかりにお松さん、さっき聞いた足止めの歌を詠んだ。
『恋しくば たずね来てみよ いずみなる しのだの森の うらみくずの葉』
ところがこれは全然違う歌、旦那さんは結局逃げ出してしまう。
話が違うと怒鳴り込んできたお松の話を聴いた大家は
「俺が教えたのは
『風吹かば 沖つ白波 竜田川 夜半には君が ひとり来ゆらん』
お前のやったのはキツネの歌だ。」
(浄瑠璃【芦屋道満大内鏡】の女主人公、『葛の葉』の歌ですな)
それを聴いたお松さん、がっくり来て
「あ、それで穴っぱいりに出かけたんだ」

大家に旦那にサービスする手ほどきを受ける場面とそれを実践してみる場面、二つの場面の会話のやり取りが絶妙な作品。

RoadShow Ver1.0 by Terra